株の信用取引、FX、先物などはレバレッジを使った取引ができます。要は自分の預けているお金の2倍、3倍といった大きな投資をすることができるわけです。
一方で、レバレッジをかける場合、投資額以上の損失が発生することがあります。レバレッジ2倍なら50%以上の値下がり、レバレッジ3倍なら33.3%以上の値下がりで損失が元本(証拠金)を超えてきます。
レバレッジが大きければ大きいほど、元本以上に損をして借金が残るリスクというのは大きくなるわけですね
○○ショックで大損をして、損失が投資額を超えてマイナスとなった時、投資家はどうするべきでしょうか?
破産レベルではないけど、大損したときの対処法
収入もあるし、自己破産までは大げさだけど大やけどを負ってしまったという場合はどうしたらいいでしょうか。
借金の金額がさほど大きくない場合
証券会社に借金を背負ったけど、損失金額がさほど大きくない場合は素直に返済しましょう。金額が小さいなら、消費者金融、銀行カードローンなどから借りて返済してもいいかもしれません。
ただし、損失額が多額に上る場合は、この方法はとらないほうがいいです。
マイナスが大きくて、すぐに返済できない場合は安易に借金しない
え、でも現金ないからお金借りないと証券会社にお金返せない……。という判断があるかもしれません。証券会社からもお金を借りてでも返済してください。という話になるかもしれません。
でも、それって本当に正しいのでしょうか?
もちろん、財産を処分することで返済できるのであれば、それは求められるでしょう。例えば、不動産をお持ちであるとかそういう場合ですね。
でも、そうした返済原資がない場合は、借金を借金で返すというのは正しい方法とはいえません。
証券会社の取りうる方法
証券会社の立場で考えましょう。投資家が返済ができないという場合、以下の取りうる方法があります。
- 投資家に財産がある場合は民事裁判で支払いを求める
- 返済可能な形で返済プラン作り返済を求める
- 債権を債権回収業者に売る
投資家にある程度の財産がありそうであれば(1)の方法でしょう。財産があるような場合は証券会社も強気に来るはずです。
一方で、回収の見込みが難しい場合は、(2)または(3)になります。ただし、大手金融機関が(3)という選択をとる可能性はあまり高くないでしょう。という事は(2)の「返済可能な形で返済プラン作り返済を求める」という選択肢になります。
証券会社に対しては返済の相談余地がある
まず、株で借金を背負っている状態というのは、証券会社が損失を立て替えているような状況になりますので、証券会社に返済義務を負う形になります。
この立替分は一括返済が基本です。スタンスとしては今すぐ払え!という形になりますね。
ただし、相談の余地はあります。無い袖は振れないからです。
毎月の給料から月々○万円を返済するといいったような相談をすることは可能です。こうした場合、金利は無利息であるのが一般的です。
なお、借金の金額が大きすぎる場合は、「任意整理」や「個人再生手続き」などによって借金金額の減額をお願いすることができる場合もあります。
ここで、下手に消費者金融からもお金を借りるとなると、金利負担もバカになりませんし、その後に債務整理を検討しなければならなくなった時に交渉相手が増えてややこしくなります。
消費者金融側も借金返済のために背負った借金で、なぜウチが棒引きしなきゃならんのだ!という話になるはずです。
投資の借金は自己破産できないって本当?
背負った損失が、もう自分ではどうしようもないという場合は「自己破産」も検討しましょう。
え?投資の借金って自己破産できないんじゃないの?
よく言われている話ですね。投資やギャンブルによる借金は免責不許可事由に該当するため、自己破産できないって話です。
確かに、破産法第252条1項第4号の規定があります。
浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。
ただし、第252条2項には以下のような規定もあります。
前項の規定にかかわらず,同項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合であっても,裁判所は,破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは,免責許可の決定をすることができる。
これを「裁量免責」と呼びます。
なので、背負った借金が大きすぎてどうしようもない……という場合は弁護士さんに相談しましょう。同じミス(投資で自己破産)を何度もやらかしたとか、そういったことがない限り、株や投資での失敗でも自己破産はできます。
ちなみに、自己破産とまでは行かなくても、任意整理や個人再生手続きなどの私的整理の方法もあります。この場合、債務が一部減額されるなどして、返済可能な範囲で返済を続けることができます。