私的経済ニュース

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企業向けの節税保険が終了? 過去の既契約も遡及して経費算入できなくなるって本当?

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企業向けの節税保険に関しては、各社が売り止め(販売停止)としています。プラチナフェニックスのような保険料を損金(経費)とすることで、課税額(所得)を減らすという保険が国税当局より強く問題視されていました。

もともと、こうした保険はたくさん販売されていましたが、そのたびに国税庁が通達を見直すことで塞ぐというイタチごっこが続けられていました。

moneyinfo.hatenablog.jp

 

イタチごっこは終了?国税庁が新見解

これまでの節税保険はルール(通達)に当てはめて考えると形式的に全額を経費(損金)とできるが、実態と大きく乖離している保険商品(プラチナフェニックスなど)が開発され、節税効果を前面に打ち出して販売されているということ事態が問題であると指摘されたようです。

  • 個別商品ごとの損金算入割合の通達の廃止
  • 返戻金のピーク返戻率に応じた損金算入割合の区分け

などが主だった内容のようです。これまで生命保険各社は個別通達の“抜け穴”を探すような形で保険商品を開発してきたわけですが、それが実質できなくなることになります。

私が証券業界にいたころは「逓増定期」を売り出してきましたが、その後全額損金算入がNGになりました。続いては、がん保険などもありましたね。そしてプラチナフェニックスのような傷害保険を利用した保険といったようにいろいろな商品開発をしてきたわけです。

これらは「保険(保障)」の意味合いが全くないわけではありませんが、加入する経営者の大部分は「節税」を第一の目的で加入しています。

 

日経新聞 2019/2/15: 節税保険、「顧客への説明難しい」 事実上の自粛へ

(当該)保険は支払った保険料を全額会社の損金に算入できることから、節税目的の加入が増えていた。稲垣会長は「一部で節税を強調しすぎた部分があった」と認めたうえで、「中小企業のリスクに備えたいという需要は引き続き大きく、新しいルールのもとでの商品提供は可能だ」とも述べた。

というコメントを生命保険協会の稲垣精二会長(第一生命保険社長)を出しています。販売自粛を要請しており2019年2月25日現在では、ほぼすべての保険会社が販売を停止しています。

ただコメントの「中小企業のリスクに備えたいという需要は引き続き大きく、新しいルールのもとでの商品提供は可能だ」という表現はなんかおかしいですね。リスクに備える目的で入っていた人どれだけいるの?って感じはします。

 

既存契約はどうなる?既契約にも遡及しNGとなる可能性も?

これだけでも影響はデカくて企業向け保険で大きなコミッションを得ていた人にとってはショックなんでしょうが、それ以上に問題となりそうなのが、「既契約への遡及適用」です。

ダイヤモンドオンライン 2019/2/22:節税保険祭り終了、怒れる国税庁が鳴らした「生保業界再編」の号砲

これまでの事例を見ると、08年以降、逓増定期をはじめ3種の節税保険については、通達を見直した日以降の契約に対して新ルールを適用しており、既契約については不問としてきた。

しかしながら、国税庁がいたちごっこを解消しようと税務の抜本的な見直しを宣告しているため、今回ばかりは既契約についても新ルールを適用するというシナリオが現実味を帯びているのだ。

もし、既契約についても新ルールを適用するとどうなるか。中小企業は期待していた節税効果を得られず、一定数の解約発生は避けられないことになり、業界の混乱は必至だ。

 

既契約にも影響となれば、契約者は高い保険料を払っても(一部しか)損金算入できず、残りは課税されることになるため資金繰りが悪化します。

となると保険の早期解約をする契約者も増えるでしょう。幸いなことに企業にとってはプラチナフェニックスなどの保険は短期でも返戻率がそれなりにあるので、セーフといえそうですけど、保険募集人や代理店の方にとってはそれだけじゃすまないですよね……。

国税庁としては「遡及適用するぞ」という武器を使って生命保険会社各社に脅しを入れられるようになったわけです。

それで、節税保険を販売する各社は売り止めに至るというわけです。

 

さすがに遡及適用は無いと思いますが、そうなったら企業向け生保を飯のタネにしている(た)保険会社や営業マンはボロボロになってしまうでしょうね。

税理士代理店とかは節税保険ありきなところもあるので苦しそうです。

やはり原点として、保障の必要性を説いていける募集人でないと保険業界で生きていけないってことになりそうです。

 

さあ、どうなるんでしょうか。

 

ちなみにアイキャッチの画像はイタチです。いたちごっこって、なんでイタチなんだって思って調べてみました。

Wikipedia(いたちごっこ)

二人一組となり、「いたちごっこ」「ねずみごっこ」と言いながら相手の手の甲を順につねっていく。両手が塞がったら一番下にある手を上に持っていき、また相手の手の甲をつねるという終わりの無い遊びなので、転じて「埒があかず、きりがない」ことも指すようになった。

さっき、ふたりでこのゲームやってみたけど、たしかに終わらないですね。手の甲が痛い……。