私的経済ニュース解読

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クオカードペイが1億円あたるキャンペーンを実施中。税金どうすんの?払えないよ?

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ギフトコードを使ったスマホ決済サービスのクオカードペイが、すごい企画をやっています。なんと1名様に1億円分のクオカードペイの残高があたるというキャンペーンです。

一人に1億円です。100人で割るとかじゃないです。

宝くじが大好きな日本人受けしそうだなーと思う反面、これ庶民が当選したら、地獄見るやつですよ。大丈夫??

 

なぜ1億円当たって地獄を見ることになるのか?

1億円分のクオカードペイを貰うじゃないですか。

プレゼントする賞品総額は所得税法第204条に基づき、所得税及び復興特別所得税を源泉徴収した後の金額となりますので以下をご確認ください。源泉徴収税額 =(100,000,000円 -500,000円)×10.21% =10,158,950円/お送りするプレゼント総額 89,841,050円

 まぁ、実際には1000万円程の源泉徴収がされるので8984万円です。でも、これで課税関係が終了するわけじゃないんですよ。

ちゃんとキャンペーンページにも書かれてます。

ご当選者様は、賞品受け取り後、確定申告が必要になる場合がございます。また、ご当選者様が所得に関連した控除や公的扶助等を受けられている場合、このご当選がその内容に影響する場合がございます。内容につきましては、お手数ですが、最寄りの税務署にお問い合わせいただきますようお願いいたします。

ご当選者様の賞品受取に関し、上記ご当選者様の確定申告や所得に関連した控除、公的扶助等に影響することになった場合、当社は本規約に定める以外の一切の責任を負いません。

ご当選の権利はご当選者様本人に限り有効で、家族、友人等第三者への譲渡、転売、換金はできません。ご当選者様と第三者との間でトラブルが生じた場合、もしくは第三者に対して損害を与えた場合、ご当選者様は自己の責任と費用において解決するものとし、当社に何等の迷惑もしくは損害を与えないものとします。

 

ざっくり計算してみましょう

今回のような企業のキャンペーンによる賞品は「一時所得」となります。

一時所得の計算方法は以下の通りです。

総収入金額-収入を得るために支出した金額-特別控除額(最高50万円)=一時所得の金額

はい、「収入を得るために支出した金額」は今回はゼロです。なので

1億円-50万円=9950万円(一時所得)となります。

そして、一時所得はその1/2の金額を他の所得に合算して総合課税となります。

9950万円×1/2=4975万円となりますね。これが所得として追加されます。

所得として追加されたらどうなるか?

ざっくりですけど国税庁の所得税率の表を見てみましょう。

所得税の速算表
課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

 

今年(当選した年)の所得に、4975万円を追加したものに「税率」を掛けて、控除額を引いたものが所得税額となります。

仮に他の所得を考慮しないとしても最高税率がかかりますね。

4975万円×45%-4,796,000円
=22,387,500円-4,796,000=1759万1500円(所得税額)

こうなります。これで終わりではありません。日本の所得に対する税金は「住民税」もあります。住民税所得割は10%なので、

4975万円×10%=497万5000円(住民税・所得割額)

こうなります。また、この所得に応じて第1号被保険者(自営業や無職)の方は国民健康保険料も高くなります。第3号被保険者(専業主婦やパート妻)の場合は、夫の社会保険上の扶養から抜けて、国保+国民年金の負担も生じます。

社会保険関連は抜かしたとしても2256万円の税負担が追加的に生じることになります。

あらかじめ、源泉徴収分として「10,158,950円」が差し引かれてはいるわけですが、1200万円以上の不足金が生じることになります。

 

クオカードペイじゃ税金は払えないよね?

国税はクレジットカード納付ができるようになっています。

money-lifehack.com

ただし、クオカードペイはクレジットカードのようにカード番号があるわけじゃないのでこれで税金を払うことはできません。

ということは、当選後に生じる差額の税金である1200万円を何らかの手段で確保しておく必要があるわけです!!

クオカードペイの残高が9000万あったとしても、必要なのはキャッシュ(現金)です。税金が払えないとなると厳しい取り立てがあります。延滞税も安くはありません。

預貯金がない人がクオカードペイの1億円キャンペーンに当選したら地獄を見るんじゃないの?って話をかきました。

実際には換金しやすい商品を買って転売するなりすれば現金の用意はできるんでしょうけどね。

 

こういうのを捕らぬ狸の皮算用というわけですね。