都市銀行の三菱UFJ銀行は新しく口座を作る人に対して原則として紙の通帳を発行しない、デジタル通帳を利用してもらうように変更するそうです。
NHKニュース 2019年5月30日(引用元)
会社によりますと、三菱UFJ銀行は、来月10日から、店頭で新たに口座を作る利用者に原則として紙の預金通帳を発行しない方針を固めました。 希望があれば紙の通帳を発行しますが、そうでないかぎり、パソコンやスマートフォンから利用するデジタル通帳を使ってもらうということです。 デジタル通帳は過去10年分の入出金の記録を見られるようにするなど、機能を強化させていて、利便性を感じてもらうとともに、銀行としても、紙の通帳の場合、1口座当たり年に200円かかる印紙税の負担などを抑えるねらいです。 デジタル通帳はほかの銀行も普及を図っていますが、三菱UFJは、より踏み込んで利用を促していくことになります。
記事中にも書いていますが、紙の通帳自体にコストがかかるというのが大きな理由ですね。紙の通帳だと1口座あたり200円の印紙税負担が生じるのだそうです。
銀行としては口座数を増やしたいという思いはあると思いますが、1口座あたり休眠でも最低200円のコストが税負担として生じるのは大きいところでしょう。
預金として数十万円とかの入金があればいいですが、残高が少ない口座は銀行にとってはコストでしかないということですね。
アメリカでは銀行に口座維持手数料がかかる
銀行口座は無料で作れるし、維持できるってのは世界的にはマイノリティなのかもしれません。
たとえば、アメリカの銀行では「口座維持手数料(Maintenance Fee)」というコストがかかることが少なくありません。
一定以上の条件(預金額)などを満たしていない場合は、維持費が求められます。たとえば、BOA(Bank of America)では、口座維持手数料は月額12ドル必要となっています。
口座維持手数料を免除してもらう要件は24歳以下であるか、1500ドル以上の預金があることといったような条件があるのです。
日本でも口座維持手数料については検討をしている銀行は少なくないようですが、こうした習慣になれていない日本人的には、えっ、銀行口座維持にお金かかるの?ふざけんな!となるでしょうから、なかなか踏み切りにくいでしょう。
銀行的には徐々にデジタル通帳口座を増やしていき、最終的には紙の通帳を発行する場合は手数料という流れにしたいのでしょうか。
デジタル通帳は便利だけどデータの保存に問題もある
デジタル通帳はパソコンやスマホアプリなどで入出金を確認できるので、ある程度なれている人なら不便はないと思います。
ただ、個人的な懸念としてはデータ保持の期限がネックです。
ひどいところだと先月分くらいまでしか対応していない銀行もあります。
長くても1~2年程度になっているところが少なくありません。2年ってかなり短いですよね?数年前のお金の流れとか調べたくなることありません?
今回の三菱UFJは10年間の保存期間とするみたいなので、まだいい感じですが、取引データの容量なんてテキストデータで大したことないだろうから、数十年とかにしておけばいいのにって思います。