結構、あほらしい話が出ています。
楽天市場で一律の送料無料ラインを作り、分かりやすさを向上する。なんて話がありましたが、楽天市場としては特になにもせずに、出店店舗に3,980円以上なら送料無料にするように要求する形になったようです。
てっきり、楽天が何かしらの負担軽減策を引っ提げての導入かと思いきや、それはなし(今後努力するみたいな感じ)で、3980円過ぎたら店舗負担でよろしく!って感じ。
楽天ってそういうところあるよねって感じではありますけど、これは結構インパクトでかいのでは??と思います。
実際の送料はだれがどう負担しているのか?
Amazonとの競合を言っていますが、Amazonは自社の倉庫を抱え、物流をまとめることで送料負担を小さくしています。ただ、そのAmazonであっても昨今の配送料値上げの流れで負担額が上昇しているといいます。
一方の楽天市場、こちらは中小企業を含む様々な会社が出店しており、配送もそれぞれが独自にやっています。
流通がすくない店舗の場合は、ほとんど個人が負担しているのと変わらない程度でヤマト運輸や佐川急便を使って発送しているケースもあります。
送料無料というのはあくまでも売り手(店舗)が小売りによる儲けの中から、一定の範囲なら利益を削っても送料を負担することでお客様に買っていただくという選択にすぎないわけです。
AmazonやZOZOTOWNのように、物流を一元化できているショップならともかく、零細企業の寄せ集めである楽天市場の場合はそううまくいかないでしょう。
3,980円以上送料無料に関して楽天市場からの支援は特になし
楽天自身が物流施設を作り、モール参加店舗の商品を集めてワンストップで配送するという話なら、3,980円以上で送料無料って話はアリなんだろうとおもいます。
ただし、ここのお店が負担するという形であれば、送料無料化のしわ寄せは必ず来ます。費用を減らせているわけではないからです。
個人的には送料無料にするのであれば、まずは楽天自身が物流サービスを整理するのが先なんじゃないかと……。
送料分の価格転嫁は必ず起こる。楽天市場の商品は“割高”となる可能性が高い
3,980円以上送料無料にするためにはその原資(儲け)が必要になります。
そのためには値上げやむなしですね。個人的には楽天税と言われるほど、サービス利用料が高い楽天市場でさらなる負担が増えるとなると、ネットショッピングの中でも「楽天市場で買うのが割高になっちゃう可能性があります。
こうしたコストがかからない自社ショップや、運営コストが安いYahoo!ショッピングなどに対して、楽天市場の商品の価格自体が高くなる可能性もあるわけです。
- 公式サイト:商品価格1,000円
- 楽天市場:商品価格1,100円
みたいな感じですね。結局送料まで入れたら値段変わらないならいいじゃん。ってことになるかもしれませんが、単価が変わると、公式と楽天で買うののどっちがお得になるのか逆にわかりにくくなりそうです。
- 公式サイト:6,000円以上で送料無料(通常送料800円)
- 楽天市場:3,980円以上で送料無料(通常送料800円)
という場合、前述の商品4つ購入した場合
- 公式サイト:4,000円+800円=4800
- 楽天市場:4,400円+0円=4,400円
となって楽天市場がお得になります。一方で商品を6つ購入した場合
- 公式サイト:6,000円+0円=6,000円
- 楽天市場:6,600円円+0円=6,600円
となります。どこでも扱っている商品を買うなら、単純な価格比較をすればいいのですが、そのお店でしか買えない商品を買うときは、楽天市場と公式ショップとで比較をしたりする必要も出てくるわけです。
いずれにしても、楽天市場加盟店からすれば、とんでもない話だと思いますね……。
楽天市場加盟店が公取委に楽天の調査要請
楽天が通販サイト「楽天市場」で一定額以上を購入した利用者を対象に、商品の送料を出店者負担で一律無料にすると決めたのは独禁法が禁じる「優越的地位の乱用」に当たるとして、出店者らが公正取引委員会に調査を求めたことが30日、分かった。出店者は楽天との交渉に向け組合組織の設立準備に入った。公取委は通販などインターネット上で基盤サービスを運営する「プラットフォーマー」への監視・規制を強めており、調査に乗り出す可能性がある。
期限が迫る中、加盟店も動き出しているようです。
楽天としては従わないなら出ていってもらって結構という話なのかもしれませんが、この規模になるとそうやってビジネスすることが許されないレベルとも思えます。
個人的には大きな問題になってくれたらいいなぁと思います。