知り合いに相談されて、そんなことあるんだーと知りました。
イデコハラスメント(イデハラ)という言葉もあるくらいで、iDeCo(イデコ・個人向け確定拠出年金)を利用する際に会社から嫌がらせ(ハラスメント)を受けるっていう話です。
いやがらせといっても、直接的に何かされるというよりも
- 言い出せない雰囲気
- お願いしても書類を書いてくれない
っていう内容です。
iDeCoの始め方
イデコって税制上有利な老後の年金手段です。自分で掛け金を払って運用して老後に受け取るというもの。
- 掛金が全額所得控除
- 運用益は非課税
- 受け取り時は所得扱いになるけど優遇あり
といった感じです。マネー誌や新聞などでも広く取り上げられていて自分で老後の財産づくりという話には切っても切り離せない制度になっています。
今は実質的にすべての人が加入できるようになっています。
サラリーマンや公務員は利用開始に事業主証明が必要になる
年金の紐づけのためにイデコを始めるにあたっては勤務先の事業主証明(事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書)が必要になります。書類はこんな感じ(出所:楽天証券)
この提出はマスト(必須)です。
こんな用紙を会社に書いて貰わないといけないんですね。担当は総務か経理か人事あたりでしょうか。
書いてもらうところ自体はそんな大したものではないのです。社判は必要になりますが、あとはチェックしていくくらいです。
言い出しにくい雰囲気がある(あるいは言いたくない)
資産運用(年金)を始めるのを勤務先に言うのが嫌という方も多いみたいです。これは、職場の雰囲気ですかね。
え?お前資産運用するの??
って言われたくない感じでしょうか。
あるいは、そこまでするのが面倒くさいという方もいるかもしれません。これはイデコハラスメントというよりもハードルが高いって感じる感覚かな。
中小企業だと担当者が知らない、面倒だと考えている
こんなケースもあるでしょうね。存在も知らないし、書いていいのかの判断に迷うようなケース。書類自体が「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書」となっていて、事業主が従業員について証明するだけでなく、「事業所登録」という部分で引っかかってしまうところも多いみたいです。
〇事業主払込
〇個人払込
という選択肢もあり、「事業主払込」の場合は個人のiDeCoの掛金を把握し、徴収し納付するという手間がかかる点も懸念しているのかもしれません。
こうしたケースでは、「個人払込」とすることで事業主としての手間はほとんどかからないということを説明する必要があるかもしれません。
ちなみに、会社は「事業主払込はできない」とすることも可能です。個人払込の場合でも、年末調整で対応できるのでユーザー的にもさほど負担はありません。
むしろ事業主払込にすると、iDeCoの掛金変更などをイチイチ会社に伝える必要があって逆に面倒だと私は思います。
ちょっと、話が逸れましたね……。
会社が証明書を書いてくれないとiDeCoは始められない
ハラスメントというには極端な感じもしますが、事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書は提出が必須となっているので、iDeCoを始めたいのなら、提出せざるを得ないんですよね。
企業の年金制度によって掛金上限が異なる点に問題が起因しているのでしょうが、それが普及の妨げになっているのなら問題ですね。