ちっとも普及しないマイナンバーカードですが、消費税増税を機に、国までポイント還元で普及させようと躍起になっているみたいです……。
政府がマイナンバー(個人番号)カードを活用して2020年度に実施するポイント制度の概要が1日、分かった。10月の消費税増税対策で、一部自治体が独自発行する「自治体ポイント」の拡充を検討していたが、変更して全国共通にするのが柱。民間のスマートフォン決済事業者と幅広く連携し、利用者がスマホに入金すると、地域を問わず使えるポイントを国費で上乗せする。20年10月に始め、入金2万円に対して5千円分(25%)を提供する案が有力だ。
これは絶対にやめておいたほうがいいと思う。多分、ろくなことにならない。2020年10月スタートと約1年後開始を予定しているみたいですけど、本当に導入したら地獄絵図になりそう。
そもそも、自治体ポイント、使ってる?
記事中にもありますが、すでにマイナンバーカードを利用したポイントプログラムに「自治体ポイント」というものがあります。
ポイントはイベントへの参加やボランティアといった地域活動をした人などに各自治体が付与する。「1自治体ポイント=1円分」としてマイナンバーカードにためていく。たまったポイントは、地域の商店やオンラインショップの買い物などに使える。
ポイント交換で貯めたり、自治体が実施するイベントへの参加とかでたまったりするポイントとなっています。
ただ、利用するハードルが高いです。
- マイナンバーカードを取得
- 自前でICカードリーダー用意(あるいは役所に行く)
- マイキーIDを登録
こうした作業が必要になります。まだ、カード作るだけならともかく、さらにICカードリーダー付きのPCを使って登録作業が必要になります。
あと、ポイントの有効期限が短すぎて正直使いものになりません。ポイ活上級者ならともかく、普通にボランティア参加とかで使えるレベルにまで貯め切れる人ってどれくらいいるんだろうかという疑問。
この時点で普及させる気はゼロって感じですよね……。
マイナンバーとポイントカードは相性が悪い(ディストピア的な意味で)
GAFAに対する規制だの、ITPだの、ビッグデータの活用については慎重な意見が出てきています。
その一方で、マイナンバーという個人と紐づけ可能であり、税や社会保障と紐づけ可能なシステムと、購買情報を蓄積するポイントカードはメチャクチャ相性が悪いというか危険です。
当局に対して、何をいくら買ったみたいな情報が場合によっては筒抜けとなる恐れがるからです。
今回の素案はチャージ(ポイント購入)で一定額のプレミアム付与という事で購買情報等の管理はしないものと思われますが、決済と紐づけするなら技術的には購買履歴を管理することも可能なはずです。
私はポイントカードは活用するほうではありますけど、政府に対してフルオープンにするつもりにはなれませんよ……。
マイナンバーで収入をガラス張りにした上で、マイナンバーカードで支出を管理する。そうすれば年間貯蓄額がわかる。
この貯蓄に対して課税する。
貯蓄税率を消費税率よりも高くしておけば、買い物はマイナンバーカードを提示せざるを得ない。政府は一人一人の収入・支出・貯蓄のすべてを管理できる。
貯蓄税率を増やせば、みんなお金を消費に回して景気回復!
みたいな。こわいこわい。
これは冗談だけどポイント還元のような餌でカード利用者を増やしても何の意味もないような気がするんだけど。
個人的には、こんな施策に予算かけるくらいなら、予算分を丸々還元するほうが幾分かマシだと思います。