NTTドコモが「信用スコア事業」に参入すると発表しました。
金融機関向けに利用者の信用情報をスコア化(点数化)して融資などに利用できるようにするというものですね。
信用スコアといえばジーマ信用が中国で使われているようですが、日本の一企業(それも通信会社)が自社利用状況だけで出す信用スコアにどれほどの信ぴょう性があるのか微妙に思います。
報道発表資料(NTTドコモ)
「ドコモスコアリング」は、ドコモの幅広いビジネス展開によって得られた各種サービスのご利用状況などのビッグデータを解析し、自動的に算出したお客さま毎の信用スコアを金融機関の審査に活用できる仕組みです。金融機関は、この信用スコアを活用した審査を行うことで、個々人の状況に合わせた適切な金利・貸出枠を設定することが可能になります。なお、この信用スコアは融資サービスをお申込みの際、お客さまの同意のもと算出され、お手続きの中でのみ活用されます。
ドコモスコアリングというのが信用スコアですね。ドコモの幅広いビジネス展開によって得られた利用状況というのは、説明資料があります。
- ドコモ回線の利用状況
- 契約内容
- コンテンツサービス利用状況
- 携帯電話支払い履歴
- 金融サービス利用状況
ということです。正直(1)~(4)の部分ってそこまで、個人の信用情報に対して補完するような意味合いあるかな?と思います。
(5)の金融サービスにしても、ドコモといえばdカード(クレジットカード)やiD(電子マネー)が中心かなぁ。
dポイント(共通ポイントカード)とかd払いとかの決済系は増えてきているから、この辺りは集まる情報に厚みが出てきたら価値が出てくるかもしれないですね。
ドコモから提供されたスコアに銀行は価値を感じる?
日本経済新聞2018年10月18日朝刊
まずは新生銀行と提携し、同社が19年3月に始める新たな融資サービスに活用する。同日会見した新生銀行の工藤英之社長は「携帯電話事業者が持つ切り口の違うデータを組み合わせることで、精緻な融資が可能になる」とドコモと組む利点を強調した。ドコモの吉沢和弘社長も「金融機関は顧客一人ひとりにあったサービスを提供可能になる」とメリットを語り、提携先をさらに増やしたい考えを示した。
当初は新生銀行と組むようです。
ただ、ドコモが審査用に個人情報を提供するのではなく、あくまでもドコモスコアリングというスコア(点数)のみを提供する感じになるようです。
このスコアで融資可否を決めるというのは、実際どこまで可能か疑問があります。
参考材料くらいにはなると思いますが、それだけを使って融資することはないでしょう。
AIスコアレンディングはすでにサービスが始まっている
ちなみに、こうした信用スコアを利用した融資サービスはすでにスタートしています。
J.Score(ジェイスコア)というサービスで、ソフトバンク、みずほ銀行系のサービスですね。
参考:AIスコア・レンディングのJ.Score(ジェイスコア)の評判と特徴
こちらはドコモのようにスコアを提供するというのではなく、融資会社自身がスコアを計算して融資の可否や金利を決めています。主導権ががスコア算出側にあるので、現状ではこちらの方がデータが集まれば分がありそうな気がします。
こうした信用スコア系のサービス、今後広まっていきそうではあるものの、個人情報・プライバシーとの関係性がより強いため、取り扱いには慎重になってほしいですね。