業界のガリバー野村證券が売買手数料無料化を図るネット証券に対して大胆な攻めの姿勢を見せています。
2020年2月26日約定分(2月28日受渡分)より、オンライン専用支店(野村ネット&コール口座、ほっとダイレクト口座)のお客様を対象に、国内株式の信用取引(制度・一般信用)における買方金利を、従来の3.0%から業界最低水準(※)となる「0.5%」に引き下げいたします。 信用取引には通常、手数料と買方金利等の諸経費を合わせたコストがかかりますが、買方金利を引き下げることで結果的にお客様にご負担いただくトータルコストを低く抑えることができ、よりご利用いただきやすくなります。 当社では、今後もお客様の多様なニーズに応える商品やサービス向上に取り組んでまいります。
信用取引の売買手数料無料化はよく耳にしますが、信用金利を従来の3.0%から0.5%まで引き下げるというのは正直驚異的です。
主要なネット証券の信用金利(買い方金利/制度信用)は以下の通り
- DMM株:2.1%
- ライブスター証券:2.3%
- SMBC日興証券:2.5%
- 岡三オンライン証券:2.6%
- GMOクリック証券:2.75%
- 楽天証券:2.8%
- SBI証券:2.8%
- マネックス証券:2.8%
- auカブコム証券:3.98%
ネット証券だから安いってわけじゃないんですね。ってか、実際のところ信用金利がネット証券の主な収入源ですし。
上場証券 | 中小証券 | ネット証券 | |
---|---|---|---|
委託手数料 | 31.6% | 50.5% | 41.5% |
引き受け・売り出し手数料 | 1.7% | 0.2% | 0.6% |
募集手数料 | 19.7% | 11.5% | 3.2% |
金融収入 | 3.0% | 6.2% | 28.6% |
トレーディング収入 | 29.1% | 18.2% | 10.8% |
上記はリテール証券の収益構造(2015年)です。ネット証券の収益の大きな割合を金融収入(信用金利等)が占めていることからわかりますね。
実際のところ信用取引のコストは売買手数料よりも金利(空売りなら貸株料)のコストのほうが大きくなりがちです。
野村證券0.5%金利なら高配当株をフルレバで買うのもアリ?
0.5%の金利ならある意味、本来なら短期決戦とするべきところを長期運用もできるのでは?と思ってしまいます。
一方で30%の維持率でフルレバ投資をすると3割ちょいの下落で全部失ってしまうことになるわけですから、正直メチャクチャリスク高いです。
今のような相場を見てもらうとわかると思いますけどね。