ドトールコーヒーが就業規則を改定し、年間の会社の休日日数を固定化したことに対して話題になっています。
2019年4月からの有給消化について会社に対して罰則付きの義務化が行われたことに対する対応も含まれているとみられます。
会社休日→出勤日に ドトール「休みたければ有休で」
朝日新聞 2019年10月7日
「ドトールコーヒーショップ」などを展開するドトールコーヒー(東京都渋谷区)が今年から、「会社の休日」を暦の上での祝休日数に関わらず「年119日」に固定し、それ以上休みたければ有給休暇を使うよう社員に「奨励」していることがわかりました。今年は改元で暦の上での祝休日が例年よりも多く、有休を使わなければ暦通りに休めないことから、社員から不満の声が出ています。
有給休暇の強制取得(罰則付き)は2019年4月からスタートしています。
年間の有給休暇の取得を最低でも年5日(フルタイム)取らないとなりません。これもあって、ドトールは対応したのでは?という話です。
法律では国民の祝日を休日とする必要はない
労働基準法では、別に週休二日である必要はありません。また、国民の祝日を休みとしなければならないわけでもないです。
法律上、会社は週1日以上、あるいは4週間に4日以上の休日を与える必要があります。
これを満たせば問題ありません。労働時間の問題はありますが、こちらも1週間に40時間、1日に8時間以内を満たしていればOKです。
ルール的にはドトールの年間休日119日というのは決して問題があるわけではありません。
一方で、従業員に対して不利な方向に労働条件を変更することを「不利益変更」といいます。労働者の同意なく、一方的に労働条件を不利な方向に変更することはできません。
実際に中小企業などでは、有給の強制取得制度ができたことを受けて、土曜日を営業日にするなどのように制度逃れのような対応をしている会社も少なくないようです。
上場企業のドトールレベルでそれをするのか?というのはちょっと驚きですけど。
ちなみに、今回の有給の強制取得制度は「アルバイト」「パート」にはうれしい法改正
ドトールの件は正社員が対象のお話ですが、有給の強制取得制度は正社員よりも、アルバイトやパートという働き方をしている人にとって嬉しい改正であるはずです。
本来アルバイトやパートにも有給休暇は認められているのですが、事実上取得させない会社も少なくありません。時間給や日給ではたらくアルバイトやパートの場合は、きゅじつの変更だけでは、有給強制取得問題は解決できません。
ちょっと話が脇道にそれましたが、今回の法改正自体は労働者にとっては、一歩ステップアップすることができたとは感じています。