私的経済ニュース解読

自分が気になったニュースを私の視点で文章にしていきます。

FXの急騰急落とスプレッド拡大のリスクと拡大する理由。フラッシュ・クラッシュとスプレッド拡大

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FX取引はコストが安いといわれています。

代表的というか、よく知られているFX取引業者の米ドルのスプレッドは以下のようになっています。

  • GMOクリック証券FXネオ:原則0.3銭
  • DMM.comFX:原則0.3銭
  • SBI FXトレード:原則0.27銭

かなりお安いですね。ただ、ここで注意をしたいのはいずれの会社もスプレッドに「原則」という言葉を付けている点です。原則はこれだけど、そうじゃないときもあるってことですよね。

 上記のような各FX会社のスプレッドが原則水準から乖離する(拡大する)ことがあります。それは、相場が急変(急騰・急落した時ですね)

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はい、これは、2018年1月3日に発生したドル円の為替レートです。アップルの業績下方修正を受け、急速に円買いとなり、108円60銭から104円99銭まで3円以上もワープしました。

 

急騰時・急落時はスプレッドが大きく拡大する

こうした急騰や急落はFX(為替)では時々あることです。○○ショックと呼ばれることが多いですが、価格がワープするような値動きをしてしまうのです。

そんなときに、リアルタイム取引ができるFX取引ならではなのですがスプレッドも急拡大します。

たとえば、104.99円まで円高になったとします。この時スプレッドが原則0.3銭であったとしても、こうした急激な相場変動時にはスプレッドが30銭といったように大きくなります。

仮に底値が104.99円だったとしましょう。

通常時(0.3銭)
売値(Bid):104.987円 / 買値(Ask):104.993円

スプレッド拡大時(30銭)
売値(Bid):104.690円 / 買値(Ask):105.290円

となるわけです。こうやってスプレッドが拡大するというのは投資家にとっては大きなマイナスとなります。割高でしか買えませんし、安い値段で売らざるを得ないことになります。

 

 なぜ、スプレッド拡大は起こるのか?

FX業者が提示している為替レートは「インターバンク市場」という銀行間取引で行っているレートを参照しています。

ただし、以下のような状況が重なることで、提示されたレートよりも広がりの大きな価格でレートを提示せざるを得なくなります。これがFXのスプレッド拡大の原因です。

  • レート急変と流動性の低下
  • カバー先の金融機関が少ない

 

レート急変と流動性の低下

レートが急変しし、さらに流動性(取引量の大きさ)が小さい場合、どうしてもスプレッドが拡大しやすくなります。今回は日本時間的には夜間で、またお正月休みもあり、流動性が低かったこともフラッシュクラッシュにつながったと考えられます。

 

カバー先の金融機関が少ない

もう一つは、FX業者がどれだけのカバー先と契約しているかです。

FX業者は顧客(FX投資家)から受けた注文をそのままにしておくと、自社でそのポジションと反対のリスクをかぶることになります。そのため、カバー注文といって提携している金融機関から提示されているレートで反対注文を出します。これがカバー注文です。

※必ずカバー注文を出すわけでなく、自社で呑むこともあります。

このとき、カバー先の各銀行が提示するレートの中でも最も有利なところに発注を行います。カバー先が少ない場合、今回のようなフラッシュクラッシュが起こった時に適切な価格の提示ができず、リスク回避のためにスプレッドが拡大しやすくなるわけです。

 

最悪なのはスプレッド拡大でロスカット(強制ロスカット)されること

こうしたスプレッドの拡大で最悪なケースとしては自分自身のロスカット(強制ロスカット)の水準に触れてしまい、損切されてしまうことです。

高いレバレッジで取引をしている人や、逆指値のロスカット注文を出している人は時として、「本来ならそんな為替レートに到達してないとしていなかったとしても、スプレッド拡大でロスカット水準に抵触してしまう」ことがあるわけです。

 

スプレッドの拡大はFX取引業者としても急騰・急落によって、損失を被るリスクもあるわけなので、ある程度はしょうがないところもありますが、アホみたいにスプレッドを拡大させる業者もおります。

こうしたタイミングでスプレッドをあまり拡大させない業者というのは重要だと思います。

 

高城泰 (@takagifx)さんのツイートにもあるように、各社ばらばらです。流動性のあるドル円ですから、100pips以上の差異があったFX業者も多いよう。データ抜けがもあるようです。

こうやってみると、SBI FXトレードはかなり優秀な感じですね。一方でセントラル短資やヒロセ通商なんかはスプレッドが急拡大しており、あまりよろしくない感じです。

money-lifehack.com

FX業者を比較するときはこうした、相場急変時にも変なプライシングをしない取引業者を使うというのはよい視点だと思います。