私的経済ニュース解読

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iDeCo(イデコ)の掛金限度額引き上げ加入期間延長を検討とその影響

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iDeCo(個人型確定拠出年金)についての制度拡充が議論されているようです。

厚生労働省は、現在は60歳までとなっている加入期間を65歳までに延長してより長く掛金を払い込みができる仕組みを検討しているようです。

現在のiDeCoは60歳が掛金の払い込み期間となっていますが、定年は65歳までとなっているので、制度が少しずれているわけですね。

さらに、月額の掛金の上限UPも検討しているという事です。

 

加入期間の延長で得する人と損する人

基本的に加入期間が延びるという事はそれだけ非課税で運用できる期間が長くなるわけなのでメリットがあります。

加入期間が延びることで「退職所得控除」が利用できる年数が増加するというのメリットであるといえそうですね。年あたり40万円~70万円分の非課税枠が増える計算となります。

一方で、60歳の時点でリタイアするつもりだった人にとっては期間が延長されることで受給開始年齢が繰り上がることにデメリットを感じる人もいるかもしれません。

特に、投資には興味がないけど、掛金の所得控除だけを活用している人などに追っては改悪といえるかもしれません。

money-lifehack.com

 

掛金限度額引き上げはうれしいけど、実現は不透明

現在のiDeCoへの掛金は、その人の働き方によって変わります。

  • 自営業:6.8万円
  • サラリーマン(企業年金なし):2.3万円
  • 公務員:1.2万円
  • 主婦:2.3万円

※いずれも月額

この金額(上限)も見直しが予定されているそうです。

2018/10/28 毎日新聞

現在は個人型では最高で自営業者など国民年金加入者の月6万8000円、企業型で月5万5000円だが、この引き上げも併せて議論する。ただ、加入期間を延長したり限度額を引き上げたりすると税制優遇の幅が広がるため、財務省との調整が焦点となりそうだ。

 

iDeCoの場合、掛金は全額が所得控除となります。所得控除×税率分の節税になるわけです。我々からすれば有難い話ではあるのですが、税収を確保したい財務省などからすれば、及び腰になるのでしょう。

もっとも、我々制度利用者側の立場からしても、iDeCoの掛金というのは厚生年金の保険料などと同様に「老後」にしか利用できないお金です。NISAと違い途中解約をすることもできません

www.money-navi.net

そう考えると、余裕がある人は別ですが、普通の人はiDeCoに注力しすぎると、通常の生活費で困窮してしまう……なんてことになりかねませんのでご注意ください。

 

iDeCoについてもっと詳しく知りたい方は「個人型確定拠出年金の長所と短所、加入条件」なども参考になるかと思います。

 

国は明らかに、老後の自助努力を求めている

また、こうしたiDeCoの制度拡大のニュースは喜ぶべき部分もある一方で、「老後の生活は自己責任」という方向性を国が打ち出している証左であるともいえます。

 

従来のように、老後は公的年金で生活するという時代はやってこず、イデコをはじめとした自助努力ができずに老後に困窮したとしても、それは自己責任で切り捨てられる社会へと向かっているのかもしれません。