クラウドファンディングを利用した出資サービスを提供しているFUNDINNO(ファンディーノ)という会社があります。ネットで未上場企業に投資ができるサービスですね。
このファンディーノにおける出資案件の一つだった「ブレスサービス」という会社が倒産した模様です。
未上場企業にエンジェル投資ができるサービスであるため、こうしたリスクがあることは出資者は重々承知しておくべきですが、ファンディーノにおける倒産第1号案件となりました。
ファンディーノ倒産案件第1号「ブレスリリース」
残念ながらイグジット案件第1号よりも先に倒産案件第1号が登場いたしました。
投資家の皆様には、平素より株式会社日本クラウドキャピタル(FUNDINNO)をご利用いただき心よりお礼申し上げます。
さて、2018年12月27日(木)に弊社よりご通知いたしましたブレスサービス社の件について本日東京地方裁判所に対して当該会社及びその代表取締役井本英志氏につき破産手続き開始の申し立てを行い、破産手続き開始の決定を受けた旨の連絡がありました。
ということです。
ファンディーノはクラウドファンディングでその会社の普通株主を募集するサービスとなっています。投資家は、その企業の株主となります。
ブレスサービスのクラウドファンディング案件
ファンディーノで2017年11月におよそ3500万円の資金を調達しておりました。
ちなみに、2回目の募集も2018年8月末に行われたようですが、2回目は資金が集まらず不成立となりました。
ただ、この2回目の時は前向きというよりも、かなり後ろ向きの調達計画だったのではないかと思います。
上記は2018年8月末発表の同社の決算公告です。
同社の株主資本(資本金+資本剰余金、準備金)は約6287万円となっており、決算期の純利益(損失)は4496万円でした。台所事情は相当厳しかったのでしょう。
この決算を見る限り、2回目の資金調達ができなかったことで、倒産は決定的的になったのかもしれませんね。
ブレスサービスの株主が負う責任は?
株主としての責任は有限です。
株主責任としては、投資をした資金をすべて失います。今回のように会社が倒産した場合、その株主には「残余財産分配請求権」という権利があります。
これは、破産した会社を清算して財産がのこれば、その分配を受けることができるという権利です。
前述のように、2018年8月期でほぼ債務超過ギリギリだったわけなので、残余財産の葉分配は難しいと思います。
倒産とエンジェル税制
ベンチャー企業に投資をした場合、投資先の状況に応じて「エンジェル税制」という税制上の優遇措置を利用することができます。このエンジェル税制は投資(出資)をした段階で優遇を受けることができます。
このエンジェル税制で投資をした企業が倒産した場合には、その投資金額を譲渡損失として、株の譲渡益との間で損益通算をすることが可能です。
なお、損失が大きく、当年中に控除できない場合、翌年以降3年間の繰り越しが可能となっています。